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フリーランスナースとは
「フリーランスのように働く看護師が徐々に増えている」ということを知っていますか?
フリーランスというのは、具体的にはどんなことかというと、
フリーランスとは、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより、社会的に独立した個人事業主、もしくは個人企業法人である。 (wikipediaより)
つまり、フリーランスナースとは、組織に所属していない看護師のことです。
自分で活動・事業を行い、提供したサービスに対して報酬が発生する看護師のことを言います。
フリーランスとして働く人の中でも、完全にどこにも雇われていない独立系フリーランスと、どこかに雇用されながら副業のような形でフリーランスをしている副業系フリーランスとがあります。
代表的な独立系フリーランスナースの働き方としては、訪問看護ステーションの設立などがあります。
副業系フリーランスナースにも、様々な働き方があり、医療系だけに関わらず様々な異業種を組み合わせていることも多くあります。
フリーランスナースが増えてきている訳
フリーランスのように働く看護師が増えてきている理由はいくつかありますが、私が感じるのは以下のようなことです。
国の働き方改革推進の影響
少子高齢化に伴い、労働力確保であったり、働きやすい環境作りのために、フリーランス人口を増やそうと国が動いています。
内容としては、フリーランスへ参入しやすくするために、副業や兼業を推進したり、今後は業種別の最低賃金基準を設定、フリーランスにとって負担の大きかった社会保険料の是正も予定しているようです。
国がフリーランスを支援していることは、フリーランスナース増加の大きな要素でしょう。
SNSやインターネットの普及
SNSやインターネットの普及で、狭い医療の場で働いていた看護師にも、多くの情報が届くようになりました。
そこで、たくさんの情報や価値観、時代の変化などを見てきている私たちは、そのような媒体がなかった時とは比較にならないほど多くのことを知っています。
また、このような環境は、私たちがフリーランスのように活動するのに、一昔前のように資金や、準備を必要とせず、フリーランスへのハードルを下げてくれました。
そんな中で、視野を広げ、新たなことに挑戦するナース達が出てくるのは、自然なことです。
組織のあり方と個人の願望
組織に雇われているからには、そこの方針に従う必要があります。
たとえ、その方針が今の時代にあっていなくても、現場で皆がおかしいと思っていても、規則であれば従わざるを得ません。
そんな葛藤も、フリーランスとなることで解消できるなら!と思う人も多くいます。
将来への不安
「看護師として、いつまで働けるのか」、「体力的に、精神的に続けられるのか」
というのは、誰もが思ったことがあるのではないでしょうか?
また、「定年になった後の生活はどうするか」。
期待できない年金に頼るのは不安が大きすぎるため、今から自分の力で稼げる力をつけておきたい。
フリーランスのように働いて、新たなスキルを身につけたり、経験を積んだり、今後の働き方を模索していくのは、その1つの解決方法だと思われているのも事実です。
フリーランスで働くメリット
では、フリーランスナースとして働くメリットはどのようなことでしょう。
フリーランスで働くメリット
・働き方、時間、場所、収入全て自由に決められる
・幾つも仕事を掛け持ちできる
・煩わしい人間関係に悩まずにすむ
働き方、時間、場所、収入全て自由に決められる
フリーランスとして働く場合、誰の指図もなく、自分で全てのことを決めることができます。
自由度が高いというのは、フリーランスの1番のメリットであり、この強みを生かして、やりたいことをやったり、家族や自分の時間を優先したり、収入を優先したり、ライフスタイルに合わせた働き方を選択できます。
幾つも仕事を掛け持ちできる
国の方針として副業や兼業を推進するようになったとはいっても、看護師が働く現場である病院などは、副業禁止のところが多くあります。
ですが、フリーランスナースとして働く場合、やりたい仕事は幾つも掛け持ちできるため、自分でバランスをとりながら、新たな経験や体験を積んだり、スキルを身につけたりしていくことができます。
煩わしい人間関係に悩まなくて済む
「人の悩みの大部分は人間関係にある」と言われているくらい、人間関係はストレスと直結しています。
組織で働く場合、自分の希望しない人間関係も避けることはできません。
しかし、フリーランスで働く場合、極端に言えば、共に働く人を選ぶことができるので、人間関係によって起こるストレスは少なくなります。
フリーランスで働くデメリット
では、フリーランスで働くことのデメリットとは何でしょうか。
ここで述べるのは、副業としてではなく、メインの仕事がフリーランス業という、独立系フリーランスの場合のデメリットになります。
独立系フリーランスで働くデメリット
・仕事の安定までに時間がかかるし、安定する保証がない
・収入の保証がない
・ボーナス、産休、育休、病休などがない
・税金や保険を全て自分で手続きし、全額自己負担となる
上記は、会社で正社員として働いていれば、当たり前にあることなので、それがなくなる状況は想像できないかもしれません。
社員から独立してフリーランスになって、今までどれだけ会社に守られていたのかを初めて知った。
というのは、よく聞く話ですし、私自身が強く思ったことです。
このように、独立系フリーランスになるには、大きなリスクを負わなくてはならず、その結果、日本の独立系フリーランス人口は約200万人で、全就業者のたった3%程度と言われています。(内閣政府2019アンケト調査結果「日本のフリーランスについて」より)
デメリットをなくしたフリーランスの働き方
フリーランスのデメリットを見ると、「フリーランスになるのはやめておこう」と思うかもしれません。
しかし、このデメリットをなくす働き方が、副業系フリーランスです。
どこかに所属して、社員として守ってもらうのと同時に、フリーランスとしてのメリットも手に入れることができる副業系フリーランスの働き方は、現在の日本に1000万人余りいると言われています。(厚労省 フリーランス白書2018 より)
副業系フリーランスは、技術系(ライター、カメラマン、コンサルタントなど)の仕事の人に多いのですが、その流れからいえば、技術職である看護師は、副業系フリーランスに向いているということになります。
副業系フリーランスナース
看護師が副業系フリーランスに向いている具体的な理由は、看護師としての技術と知識が、世の中に必要とされているものであり、看護師の資格を持っていれば、いざという時でも仕事に困ることがないからです。
では、実際に副業系フリーランスナースは、どのように働いているのでしょうか。
よく聞くのは、パート看護師として社会保険に入れるような働き方をしながら、
看護師(雇われ)✖️アロマテラピスト(自営)
看護師(雇われ)✖️エステ(自営)
看護師(雇われ)✖️物販(自営)
看護師(雇われ)✖️ライター(自営)
などのように、好きなことを仕事にしようとする人が多くいます。
フリーランスで働くために必要なこと
では、実際にフリーランスナースとして働くには、どのようにすればいいのでしょうか。
副業系フリーランスナースへのステップを見てみましょう。
1 自分の興味があること、やりたいことを決める
まずは、副業系フリーランスになって、何がしたいかを明確にします。
そして、できる限りの準備を行っておくと、いざ副業系フリーランスとして活動し始めた時に、スムーズに移行できます。
私の場合、看護師の常勤をやめて、やってみたいことがあり、副業系フリーランスナースになりました。
その準備で、起業やSNSについて勉強するために、遠方の経営塾に通おうと決め、入学の手続き、退職の日程もその日に合わせて決めていきました。
2 今現在の生活に必要な費用を計算する
今の生活の中で、何にどのくらいお金がかかっているのかを知ることは、これからフリーランスとして働こうとしている人にはとても重要なポイントです。
その中で、必要のないことへの出費をなくしたり、少しの手間をかけることで削減できるようなコストは削減したり、出費を減らしていくことも大切になります。
私は、携帯の契約を見直して、格安携帯に変えたり、保険を見直したりしました。
3 半年は暮らしていける程度の貯金をする
思うように収入が入らなかったり、急な出費が必要になったり、予想外のことが起こった時にお金がない!ということがないように貯金は必要です。
お金の余裕は、心の余裕につながり、余裕がないと精神的に不安定になったり、間違った判断をして、さらに自分を追い詰めることになりかねません。
私は、副業系フリーランスになると決めてから、月の生活費✖️6ヶ月分程度と、勉強のために必要な金額程度は貯金しました。貯金はあればあるほど困らないのは事実です。
4 現在常勤として働いていれば、退職日程を決めて規定の期限までに職場に伝える
今、常勤で働いている人は、退職の日を決めましょう。
決めてしまうことで、逆算して色々な計画を立てることができます。
また、退職を職場に告げる時期について、厚生労働省の資料では、「正社員は少なくとも2週間前までに申し出る」となっていますが、トラブルにならないために、病院の就労規定をみて、それに沿って申し出るようにしましょう。
5 副業系フリーランスナースとして働くプランを立てる
副業系フリーランスとして、税金や保険などの負担を少なくするには、雇用される働き方を調整する必要があります。
上記の「独立系フリーランスのデメリット」で挙げたデメリットの多くを「雇用される会社の社会保険に加入できる条件で働くことで回避する」必要があるからです。
会社の社会保険に加入するには、週に30時間以上、2ヶ月以上の契約で働く必要があります。
この働き方をすることで、年金、健康保険についての自己負担は減ります。また、ある程度の安定収入は得られることになります。
ただし、病休はなく、産休・育休に関しては、雇用されている期間が1年以上のときに、一定の条件をクリアすれば発生。ボーナスは雇用主によって有無が決まります。
社会保険に加入できる働き方の明細は、こちらの記事へ
私の場合、副業系フリーランスナースとして、病院の社会保険に入れるギリギリの時間で働き、なるべく税金や保険料の自己負担分を少なくして、残りの時間で、自分のやりたいことで活動していました。
6 派遣や単発の仕事を紹介してもらえるエージェントに登録する
看護師の仕事紹介エージェントへの登録は、副業系フリーランスナースとして安定した看護師収入を得るには、必ず必要なことです。
また、登録を早めに行うことで、「どのような仕事があるのかをみて、イメージを膨らませる」、「エージェントのコンサルタントに、自分の意向を伝えて、気にかけてもらう」など、フリーランス開始の準備をどんどん進めることができます。
副業系フリーランスナースのためのエージェント
では、副業系フリーランスとして安定した収入を得るための看護師のお仕事は、実際にどんな仕事でしょうか。
以下に挙げてみました。
副業系フリーランスナースの看護師の仕事条件
・副業、掛け持ちが可能
・時間や場所、給与に選択肢がある
・ある程度の期間を、一定の日数で継続して働くことができる
以上の結果から、派遣や契約社員のような仕事が適していると言えます。
また、「期間限定でしっかり働いてお金を貯める」、「今月あと数万円欲しい」という時のために、応援ナース、単発バイト、ツアーナースなども使い分けられると、とても便利です。
そのような看護師のお仕事を紹介してくれるエージェントで、私が利用してよかったエージェントはこちらです。
まとめ
ここまで、看護師がフリーランスとして働くことについて、その方法や、メリットデメリットについてお話ししました。
私は、看護学校を卒業して、看護師になり、医療の世界しか知らなかったところから、副業系フリーランスナースとして世の中に出てみて、よかったと思っています。
何故ならば、自分の可能性に気がつき、何よりも自分らしく、楽しんで仕事をできるようになったからです。
もしも、看護師をしながら、他にも興味があることがあるならば、ぜひ副業系フリーランスナースの働き方を上手に利用して、自分らしい働き方を見つけてみませんか?
そのための1歩は、思ったほど大きくないかも知れませんよ。