以前は、看護師の派遣という働き方はあまり耳にしませんでした。
しかし現在は、私自身「派遣」という働き方を何度も活用していますし、実際の職場でも、私のような「派遣」として雇用されている看護師さんを多く見るようになりました。
では、看護師の派遣ってどんな仕組みで、お給料はどのくらいで、何が良いのでしょうか?
Contents
看護師の派遣、どんな仕組み?
以下に、正社員とパート(アルバイト)、派遣の仕組みの違いを表にしてみました。
雇用主
派遣の1番の特徴は、雇用主です。
正社員の場合、お仕事をする職場に直接雇用されています。しかし、派遣の場合は、雇用主は派遣会社となります。
派遣看護師は、雇用されている派遣会社から紹介を受けて、各施設へ働きに行きます。
なので基本的に、派遣看護師の給与やその他の社会保険、有給休暇などは、雇用主の派遣会社から提供されることになります。
勤務条件
雇用主が就業先と同じ場合、勤務条件は就業先の条件に従うことにはなります(個人的に交渉は可能)。しかし、派遣の場合は、就業先と看護師の間に雇用主である派遣会社があるので、看護師の希望条件を就業先と交渉してくれたりします。
よって、派遣看護師の勤務条件がそれぞれで違うことがよく見られます。
雇用期間の設定
常勤として就業先に雇用された場合、雇用期間は決まっていません。定年まで働くことももちろん可能です。パート(アルバイト)は、1年毎の契約となっており、1年毎に契約更新が必要です。
派遣の場合、契約時に期間が決まっています。しかし、就業先の依頼によって期間延長も可能となっています(最長3年以内)。
社会保険
派遣看護師が、社会保険に加入可能な条件で働いている場合は、派遣会社の社会保険に加入します。
看護師の派遣のお給料は?
2019年1月の三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は1,046円であったことから(株式会社リクルートジョブズ2019年1月度の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」より)見ると、看護師派遣の時給は高い傾向にあります。
実際に、以下のような時給2,000円以上の求人もかなりあります。
(上記、九州、東京、北海道の派遣求人要項を求人サイトより抜粋)
仮に、時給2,000円で1日8時間働いたとして、月に9日休みがあったとしても、月収336,000円となります。
この場合、常勤で働いている看護師さんと同等、又は少し上回るくらいの月収となる可能性は高くなります。
ですが、長期で見た時に、賞与や退職金などの手当てがある常勤の看護師さんの方が、収入は多くなります(令和2年4月より派遣労働者にも賞与や退職金が発生します。詳しくはこちら)。
人によっては、夜勤だけの派遣をする人もおり、そのような夜勤専従勤務も、高めの給与設定になっています。
このように、派遣の給与は、短期的に見ると高額と言えます。
また、派遣の場合は、ダブルワークが可能なので、日勤と夜勤の派遣を自分で自由に組み合わせて、収入をコントロールすることが可能となります。
私が派遣生活で感じたこと
私は、派遣看護師として、まとまった期間(数ヶ月〜1年)のお仕事、単発のお仕事、どちらも経験しました。
私の場合、正社員だった時と比較して、看護師年収は下がりました。
しかし、仕事における精神的な負担はかなり減り、自由にできる時間はかなり増えました。
これは、私の意志で、自分の時間を優先した働き方を選んだ結果です。
収入を優先したい場合は、ダブルワークが可能な派遣の特徴をフルに活用することで、収入UP可能です。
また、令和2年4月からの法改正で、派遣には与えられなかった手当も付与されることから、年収も正社員に大きく劣ることはなくなりそうです。
社会保険、確定申告に注意!
派遣をしていて、注意が必要なのは、社会保険や確定申告です。
社会保険に加入できない条件で働いた場合、税金などの支払いは自分で行うことになり、その場合、個人の負担額は増えます。
また、年末調整の時期に派遣会社で仕事をしていれば、派遣会社が年末調整を行ってくれますが、その時期に仕事をしていなければ、自分で確定申告をすることになります。
確定申告について詳しくはこちら「看護師の派遣やバイトで気になる税金のこと」
看護師の派遣のメリット、デメリット
ここまでをふまえて、派遣看護師のメリットデメリットは以下のようなことです。
派遣看護師のメリット
収入について
・収入のコントロールが可能
・働き方次第では高収入が得られる
その他について
・就業条件を派遣会社が交渉してくれる
・時間の自由が利きやすい
・純粋な看護業務以外の仕事に追われない
派遣看護師のデメリット
収入について
・賞与や退職金などがない(令和2年4月から派遣社員にも賞与・退職金などが付与されることになります。詳しくは厚生労働省HPへ)
・働き方によって、社会保険料の負担方法や負担額が変わってくる
・確定申告が必要な場合がある
その他について
・基本的に雇用期間が決まっている(条件によっては延長も可能)
まとめ
以上、看護師の派遣の給与を中心に、メリットデメリットについても書いてきました。
現在は、働き方改革の波に乗って、派遣労働者に対する法律が次々と変化しています。この変化によって、今後は派遣労働者への待遇がもっと良くなっていくと見られています。
時間の自由が利き、待遇も改善されていく派遣という働き方は、今後も注目の対象となるでしょう。