ここ近年、田舎生活が注目されています。
「都会の生活が合わない」、「自然に囲まれた生活がしたい」などと思う人が増えているようなのですが、看護師さんの中にも田舎で暮らしてみたいと思う方も多いようです。
しかし、田舎の生活に憧れを持ったとしても、いざその環境に飛び込むのは勇気がいるし、何から初めていいのかわからないというのが実際のところです。
そんな時に、私がお勧めしたいのが、看護師の応援派遣制度です。
この制度は、看護師が足りなくて困っている場所に、期間限定で派遣される働き方です。
派遣される場所として、都会もありますが、それよりも多いのは、過疎化が進んで、若者が少なくなった田舎の病院などの施設です(看護師の応援派遣制度については、こちらで詳しく説明しています)。
今回は、田舎で応援看護師の経験があるKさんの体験談を聞いてみました。
Contents
Kさんの体験談
Kさんは、30代、看護師歴18年の看護師さんです。
今まで、都会で働いてこられ、これからの将来をゆっくりと整理する時間が欲しいと思っていました。
都会の生活は、楽しいこと、目新しいものが多くあり、嫌いではなかったのですが、毎日の溢れる情報に左右されない環境で自分を見つめる時間が欲しいと思っていました。
そんな時、TVで田舎生活について知り、憧れを持ちました。
ですが、30代になって住み慣れた土地を離れるのは勇気がいったし、その為の労力も苦痛でした。
それに、どこに行ったらいいのか、住む場所、仕事などをどうするのか、次々と不安が出てきて、実際に行動に起こせていませんでした。
しかし、そんな時にインターネットで応援看護師の制度を知りました。
そして、すぐに派遣会社に登録し、担当者へ相談。6ヶ月という期間限定で、住む場所も家電も完備、今住んでいる場所から車で1時間程度の距離という身近な場所での応援看護師のお仕事に行くことを決めました。
Kさんにとって、この応援看護師に行くことは、様々な補償のついた、田舎留学に行くことのように思えたそうです。
応援先の病院、仕事内容
Kさんが応援に行った先は、都会から車で1時間程度なのですが、周りは野山に囲まれた田舎町の総合病院でした。
町に大きな病院はそこしかなく、地域の救急車の8割はその病院に運ばれるという、町にはなくてはならない病院です。
地域の高齢化はどんどん進んでおり、他所から働きにくる人はおらず、病院で働くスタッフが足りないという、典型的な過疎地の病院で、派遣として雇われているスタッフが多かったそうです。
しかし、派遣スタッフが多いということは、Kさんにとって嬉しいことでした。
というのも、職員が派遣スタッフの扱いに慣れていて、仕事の進め方や教えるポイントなど、把握しているのです。
仕事内容としては、普通に病棟勤務する看護師と何も変わりありません。
応援看護師でも、受け持ち患者、リーダーなども振り当てがありました。
正社員と違うことは、委員会の仕事がないこと、病院の行事などの参加を強制されないことで、このことはKさんの気分をとても楽にしてくれたようです。
応援先での生活
住む場所は、病院が準備してくれたレオパレスでした。
家具、家電が完備されており、病院から徒歩10分程度の住居は、初めは狭くて窮屈な感じもしましたが、短期間の田舎留学だと思えば、安くて快適な暮らしに感謝できました。
また、周囲に何もないと思っていた環境は、自然が豊かで、贅沢な環境でした。
というのも、そこには小さな町の温泉から大きな観光用の温泉まであり、夜勤明けや日勤終わりに、日替わりで温泉めぐりや、岩盤浴を安く楽しむことができました。
また周囲は、農業や養鶏業が盛んで、美味しくて、栄養満点な野菜や卵が簡単に手に入り、食生活が一気に豊かになりました。

黄身が摘める卵「つまんでご卵」

近所の自然豊かなカフェも人が少なくてゆっくり。
また、以前は街に出たら、必要ないのに高額な買い物をすることもあったのですが、田舎では、そんな場所もなく、無駄使いも減りました。
代わりに、「なかなか時間がなくて出来ない」と思っていたことに向かう時間ができたり、食べるものが変わったことで体のケアを大切にするようになりました。
Kさんの感想
Kさんの田舎体験について、以下の事を聞いてみました。
田舎の応援看護師に来てよかったこと
私の場合、しばらく、ゆっくりと落ち着いた環境に身を置きたいと思ったけど、「ここに行きたい」などのはっきりとした希望があったわけではありません。なので、今までの環境からそんなに遠くない場所で希望の生活ができて、とてもラッキーだったと思います。
今までの友人にも会えていますし、何か用事があればすぐに帰ることができます。
ここでの生活は、多くの物はないけど、人間が生きていくのに大切なこと(例えば食や、健康など)に関しては、シンプルにいいものに出会えていると感じています。
また、都会での情報過多の中で、多くのことに振り回されていた状況から卒業できたとも感じています。
6ヶ月という区切りがある事で、現在の環境への気づき、今までの環境への気づき、自分のこれからについても真剣に考え、感謝することができているように思います。
仕事も、住む場所も提供してもらえて、自分の負担は最小限にできて、さらにこんなにシンプルなことで幸せを感じることができている今の環境に本当に良かったと思います。
田舎の応援看護師で大変だと思う事
6ヶ月という期間限定ではありますが、引越しは必要なので、それはとても大変でした。
今まで、暮らしていた部屋はそこそこの大きさがあったのですが、部屋も狭くなり、収納も小さくなったので、荷物が収納しきれないのは少し困りました。
ですが、これを機会に必要なもの、そうでない物の整理をしようと思い、少しづつ片付けも進み、心も環境もスッキリできました。
まとめ
以上、Kさんの田舎での応援看護師生活の体験談をご紹介しました。
Kさんは、自分の希望を”応援看護師という制度を上手に利用すること”、そして”タイミングよく、良い応援先があったこと”によって、叶えることができました。
今の環境を変えて少しゆっくり過ごしたい、でも自分の負担はできるだけ軽くしたいという看護師さんに、応援看護師の制度はピッタリなのだと改めて感じることができました。
もしも、あなたが田舎生活の体験がしてみたい、でもその方法がわからないならば、1度応援看護師という制度を考えてみることをお勧めします。
詳しくは以下の記事をご覧ください。