常に人材不足が話題になる看護業界では、転職も比較的しやすいです。しかし、人気の病院や、自分の経歴に不安がある場合などは、「何も準備していなくて面接に失敗してしまう」と言うことが起こりうるのも事実です。
では、実際にどんな準備をしていけば良いのでしょう?
今回は、面接前にどのような準備をしていけば良いのかについてお伝えしていきます。
看護師の転職で面接を受ける前に準備すべきもの
面接時には、「履歴書」「職務経歴書」を必要とされる場合がほとんどです。まずは、これらについて見てみましょう。
また、誰もが頭を悩ませる、面接時の服装についても確認していきましょう。
履歴書
履歴書を書く時には幾つかポイントがあります。
特に、私がいつも悩んでいた「職歴の多い看護師の履歴書」の書き方について、こちらで説明しているので、職歴が多い方は是非参考にされてください。
・履歴書の準備について。
履歴書のテンプレートは、志望する病院に規定の履歴書がある場合、そのテンプレートを使いましょう。
特に無い場合は、一般的に売られている履歴書になります。
しかし、私自身転職する時に感じたのですが、一般的な履歴書の項目は看護師の履歴書として使いにくい事があります。
そんな時、知っていると良いのが、インターネットで検索できる「看護師 履歴書 テンプレート」です。新卒用から転職用まで様々なテンプレートがあり、ダウンロードして使用する事ができます。
・履歴書用写真について。
面接先の病院の採用担当の方が履歴書を見て一番先に目が行くのが、履歴書の写真です。清潔感を大切に、濃いお化粧はやめましょう。
かといって、ノーメイクでは血色が悪く見えてしまうため、接客業とも言われる看護師としては良くありません。
また、明るすぎる髪の色はNGです。長い髪の毛はまとめるようにしましょう。
服装は、フォーマルなブラウスやジャケットを着用しましょう。
職務経歴書
職務経歴書は、その名の通り「今までに経験してきた職務の経歴を、履歴書よりも詳しく記入する経歴書」のことです。
数年前までは、看護師の転職に職務経歴書を求められませんでしたが、最近は提出することが多くなりました。
記入するのは、少し面倒くさいとは思いますが、今までの経験をアピールできるチャンスと捉えて、しっかりと記入しましょう。ですが、初めて書く人は書き方にも悩むと思います。
お店に売っている履歴書には、職務経歴書付きのものもあり、そこには記入例も付いている事もあります。
しかし私は、職務経歴書はパソコンで記入することをおすすめします。なぜなら手書きの場合、間違った時に書き直すことがとっても大変だからです。
履歴書・職務経歴書をかくときに、修正ペンは使用できません。なので、間違った時ははじめから書き直すことになります。その場合、書く文章量が多い職務経歴書は、間違えやすく、書き直しの労力も大きいのです。
・職務経歴書を書くときのポイント
私がお世話になった看護師の転職コンサルタントさんから言われたことです。
職務経歴書で面接先が見ているのは
・今までの配属先で、学ぶべきことをちゃんと学んでいるのか?
・うちの病院で即戦力として動けるほどの経験があるのか?
ということだそうです。
つまり、職務経歴書を書く前には面接先の病院の特徴を把握し、面接先の病院がどのような人材を欲しがっているのかについて考えることが重要です。その上で、「これまで学んできたこと」「自分の経験の中で、面接先の病院において役立つと思うこと」を記入すればいいのです。
ちなみに、私が療養型の夜勤専従用に記入した職務経歴書はこちらです。
今、見てみると語尾の「学ぶ」が多くて気になりますね。
この職務経歴書で、無事に採用されましたが、もっと色々な言い回しにした方が読みやすいように思います。
服装
面接といえば、リクルートスーツです。しかし、リクルートスーツを持っていない看護師さんは多いと思います。
その場合には、個性を主張するような服装は避けましょう。具体的には、ジャケットの着用、地味な色の膝丈スカート、又はパンツを着用が良いでしょう。
私自身は、面接の服装について「きちんと感が出ていれば必ずしもスーツを着用する必要はない」と思っています。その理由は、私が今までに行った面接で、服装を理由として落とされることはなかったからです。
しかし、その時々の面接をしてくださる方が、就職希望者の服装について、どのように判断するかはわかりません。
あなたがもしも「この職場にどうしても就職したい!」と思うのならば、「スーツを借りてでも着用すべき」というのが私の見解です。
小物に関しては、靴はヒールの高くない(歩くときにコツコツ音がしない)パンプスを着用し、カバンも主張の少ないものならば、面接後に服装に対する不安を残さなくて良いでしょう。アクセサリー、ネイル等もつけない方が無難です。
面接の服装は、あなたがその面接にかける意気込みの表れです。もしも、「服装が理由でこの面接がダメになったら一生後悔する」と思うならば、前もって後悔しない準備をしましょう!
面接での質問
看護師の面接で聞かれることは、だいたい決まっています。
ただでさえ、慣れない場所に緊張する上に、普段考えていないことを質問されてしまうとパニックに陥ってしまうこともあるはずです。そのため、王道の質問への回答は準備しておきましょう。
面接での受け答えは最重要視されるポイントです。質問内容に対して、「相手が求めている人材はどんな人材なのか」を想像しながら答えを準備してみましょう。
次に、王道の質問集を載せているので、1つ1つ答えを考えてみてください。
- なぜ、うちの病院を希望されるのですか?
- なぜ、今までの職場を退職したい(又は、した)のですか?
- あなたの看護観を聞かせてください。
- うちに入職したら、どんなことをしたいですか?
- いつから働けますか?
- 希望の科はありますか?(総合病院などの場合)
- 何か質問はありますか?
各質問への返答のポイントと例
質問1:なぜ、うちの病院を希望されるのですか?
この答えを考える時は、まず病院のHPをチェックしましょう。
各サイトには、病院の理念や特徴について簡潔に記入してあるはずです。この理念や特徴を把握し、その上で自分の経験・想いなどを交え、答えましょう。
例1
”病める人の立場に立って権利を尊重し、地域住民が求める安全で信頼される医療を行う”という理念の病院だったとします。
自分が面接官だとしたら、「どのような答えならば納得できるか」「一緒に働きたいと思うのか」考えて、準備してみましょう!
質問2:なぜ、今までの職場を退職したい(又は、した)のですか?
よくあるような人間関係・待遇などの理由(マイナスなイメージの理由)はやめましょう。プラスなイメージを与える返答を心がけましょう。
例1
例2
質問3:あなたの看護観を聞かせてください。
「看護観って何?」って思っていませんか?
看護観について検索しても、これといった答えはヒットしません。なぜならば、100人の看護師がいれば、100の看護観があるからです。だから、「正解はこれ」という答えがないのです。
また、看護観は看護師としての経験を積むことによって変化もします。そのため、面接で聞かれる看護観への答えは、「あなたが普段看護師として勤務する際に何に気をつけているのか」「何を大切に考えているのか」を答えることができれば十分です。
また、そう考えるようになったのは何故なのか、きっかけとなる出来事や想いを一緒に答えると説得力のある内容になります。
例1
急性期で働く中で、優先順位をつけて効率よく仕事をすることは身につけたのですが、どうしても「何かが違う」という想いがありました。そこで、働いていた急性期を辞めて以前から気になっていたリンパドレナージの資格を取得しました。
それから、資格が生かせるような場所で働くようになり、自分が行ったリンパドレナージで患者様の表情が変わることの喜びを覚えました。今思うと、私が大事にしたいのは初めの頃から「自分が行った看護に対しての結果を見ること」だったのだと思います。だから、今でもプラスもマイナスも敏感に感じ取れる看護を心がけています。
例2
療養型では、コミュニケーションをとることが難しい、思ったことを言葉にできない方が多くおられます。上手くコミュニケーションが取れない患者様の異常に早く気がつくために必要なこと。それは、「患者様の”いつもの状態”を知っていること」だと思います。いつもの状態を知っているからこそ、異常に気付くことができます。だから、私は患者様の「いつもの状態」を一番大事に観察するようにしています。
質問4:うちに入職したら、どんなことをしたいですか?
就職に限らずですが、「目的がある」ということは、とても重要です。なぜならば、目的(理由)があれば意欲的になれる上に、行動が長続きしやすいのです。
逆に、目的が曖昧だと、モチベーションを保ちにくく、何か予想外のことが起きた時に簡単に諦めてしまう傾向があります。
また、経験者の転職の場合は、「学びたい」という意欲だけでなく「自分のこのスキルを活用する」という「即戦力」としての技術も求められます。そのようなことも踏まえて考えてみましょう。
例1
志望する病院にあった「目的」を話すことも重要です。
例えば、地域密着型の病院ならば、「今後の地域包括医療について、在宅へ向けての支援に今までの経験を役立てたい」という内容であれば面接官は納得しやすいです。急性期ならば、「瞬時の優先順位をつける判断力を身に付けたい」などでも良いでしょう。
今までの経験を生かした上で、「自分にはここに就職する目的(理由)がある」ということを話せるようにしましょう。
質問5:いつから働けますか?
現在他の病院で働いている方は、そこの引き継ぎがあると思います。働く日程が被ることのないように、今までの職場にも次の職場にも迷惑がかからないように、無理のない日程を答えましょう。
質問6:希望の科はありますか?(総合病院などの場合)
配属先の希望は、相手側の状況によって通らないこともあります。希望の科が無いのであれば、無理に答える必要はありません。ですが、あるのならばその理由も含めしっかり伝えましょう。
質問7:何か質問はありますか?
私がオススメなのは、「業務内容」や「実際に働いた時のこと」に関する質問です。というのも、採用する側として、「具体的に就業後のイメージが出来ているのだな」という好感が持てるからです。
私が過去に行った質問で「印象が良かった」と言われた質問は以下のような質問です。
もし質問が浮かばなくても、それまでに病院を見て回っていればそこで気がついたこと、疑問に思ったことなどを質問するのでも構いません。
是非、何か1つでも質問をしてみてくださいね。
注意!
給料・待遇面の質問は非常に重要である反面、最後の質問を給料・待遇面についてばかりにしてしまうと、「お金のこと、待遇のことばっかり・・・・」という印象を残してしまう確率が高くなります。そのため、給料・待遇面の質問をする時には、聞き方を工夫しましょう。
例えば、このような伝え方でも良いでしょう。
給料・待遇に関する質問はとても大事なことなので、担当の方も理解してくださるでしょう。
まとめ
ここまで、看護師が面接に行く前に準備する事をお話ししました。
しかし、実際に就職活動を開始すると、不安なことが沢山でてくると思います。
そんな時、私のオススメは「看護師のお仕事紹介専門エージェント」を挟んで面接を受けることです。なぜならば、看護師の仲介業者のスタッフは言ってみれば相手病院・企業側の傾向、担当者の性格、今までの面接での成功・失敗例など、多くのデータを持っているプロの転職屋だからです。
なので、面接の受け答えひとつにしても、相手方の傾向に合わせてのアドバイスがもらえるのです。
少しでも不安を取り除いて、あなたにとって最高の転職ができる事を応援しています。
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