看護師の単発バイトとして、人気のあるお仕事に「検診」があります。
なぜならば、検診の仕事は「元気な人を対象にする」ので、「急変や重大な事態に遭遇する確率はとても低く、1日だけのお仕事として働きやすそう」と思われるからです。
では、健康診断のお仕事の実際はどうなのでしょう。
過去の私の経験や、体験者の話から、「単発バイトとしての検診車のお仕事」についてまとめてみました。
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看護師の単発バイト 検診車の仕事ってなに?
「巡回検診」と言われる検診車のお仕事は、お客様が医療機関に足を運ぶ代わりに、検診機関が事業所、ホテル、学校、公民館などに出向いて行う健康診断のことです。
利用者側への巡回検診のメリットとしては、従業員が医療機関へ行かなくてすむために、「通院や待ち時間などの時間が大幅に節約ができること」「従業員の受診率が上がること」「企業としての従業員の健康管理がしやすくなること」などがあり、巡回検診を利用する企業は増えています。
巡回検診では、病院で行われる健康診断の内容が、全て巡回先でできるように、専門の機器が準備されており、専門スタッフが同行します。つまり検診車は、多くの医療機材と医療従事者の集団を乗せて、各地を巡回するお仕事です。
検診:看護師の業務と役割
では、巡回検診での「バイト看護師の業務と、求められる役割」はどんなことでしょう。
多くの求人情報の業務内容には、「血圧測定や採血など」と書かれていることが多いですが、実際の体験や、感じたことを以下に挙げました。
実際の業務
巡回検診で、実際に私が任された業務は、「血圧測定と誘導」でした。
採血の仕事を任されることを予想していたのですが、採血の業務は「何度も刺された」「血管を探られて、アザになった」などのクレームが起きやすい仕事でもあり、バイトではなく常勤の看護師さんが担当されていました。
場所によっては、バイトでも採血を任せれることもあるようですが、「1回穿刺してダメだったら他の人と交代する」というような規則を設けているところもあり、採血に関してはとても配慮されています。
私は、任された「血圧測定の業務」を、簡単に考えていたのですが実際は少し違いました。「ただ値を測定すれば良い」という訳ではなく、最高血圧と最低血圧それぞれの値で、「再検査や、検査用紙の分別」などの細かい作業があります。
注意を払いながら業務をこなしていたつもりだった私も、「再検すべき人を見逃していて、帰りの車で怒られる」という失敗をしてしまいました。
期待される役割
巡回検診を依頼する企業側として、「時間の大幅な節約」は大きなメリットです。また、検診車側としては、1日に複数箇所の巡回先を回ることもあるため「時間を守る」ことは絶対条件となります。
なので、「時間をコントロールする」ということは、巡回検診の仕事の中で、とても重要視されていることです。それゆえ、検診車のスタッフとしては、検診待ちの時間を短くするために「お客様の誘導」も大切な仕事になります。
任せられた看護師としての業務を終えても、周囲に目を配り、他のスタッフの方の指示に従いながら「1つの検査に、人が集中しないように」誘導する作業も、すすんで行うこととなります。
求められる接遇
今は、病院でも「患者さまに対しての接遇」は重要視されますが、「巡回検診」のお仕事では更に、言葉遣いなどへの注意を促されます。
とはいえ、一般常識的な敬語を心がけていれば大きな問題はないでしょう。
検診:実際の業務のながれ
では、実際に「検診車のお仕事」の流れを見ていきましょう。
1, 巡回検診車の会社へ集合:検診のお仕事は、朝が早く、昼には終了するお仕事も多くあります。私の場合7:00amに集合で13:00pmには解散でした。案件によっては、「現地集合・現地解散」の場合もあるようなので注意しましょう。
2, 巡回車ごとに簡単なミーティングを済ませ、検診車に乗り込みます。車の中で、巡回検診スタッフの看護師さんから「本日の担当業務」を説明されます:私が担当した血圧測定は、「上が血圧〇〇〇以上、下が〇〇以上は再検、再検でも〇〇〇以上は赤ペンで印をして・・・」などの非常に細かい指示があり、軽く混乱したことを覚えています(写真はこちらよりお借りしました)
3, 検診車が巡回先の施設に到着したら、スタッフ総出で会場の準備をします:検診の会場作りは、かなりの大作業です。血圧計や心電図モニターなどの医療機器を始め、会場を仕切るパーテンションなどの大きな物から、採血用品などの小さなものまで、多くの物品をスタッフが全て設置します。(右写真はイメージとしてお借りしました)
4, 会場の準備が整ったら、検診を受ける方々が一気に押し寄せます
5, 担当する業務の場所で、次から次へと「同じ作業と、同じ説明」を繰り返し行います:時間のかかる作業は、スタッフ2名体制の場所もあったのですが、私が担当した血圧測定は1人で担当していたので「作業中に何かあったら、誰に聞こう? 」という心細さも感じました。
6, 検査を受ける人の波が落ち着いてきたら、周囲を見渡しながら、巡回検診スタッフの指示に従い、「待ち時間の調整のための声かけ」を行っていきます:スタッフの方からの指示はありますが、私自身があまり理解していない状況だったので、「上手く誘導も出来ず、ただウロウロしていた」という感覚でした。
7, 予定の検診業務が終わりに近づくと、検診責任者の方の指示で片付け作業を始めます:片付けも、準備と同様に大作業です。会場の「元の状態」を把握している人の指示に従って、ひたすら机や椅子を運びました。
8, すべての会場を元の状態に戻したら、検診車に乗り込んで事業所へ帰ります(または、次の会場へ向かいます):時間に関しては、かなりシビアに管理されており、予定時刻にはしっかりと終了しました。
検診:1日の収入
次に、巡回検診のお仕事の給与を見てみましょう。
巡回検診車の看護師バイトの時給は地域にもより、時給1,000〜2,000円と幅があります。
私が、福岡で働いた時の時給は1,200円で、午前中だけのお仕事で日給7,200円+交通費一律1,000円でした。
看護師の検診車バイトに向いている人は?
以上のことから、巡回検診に向いている人はこのような人だと言えます。
- 朝に強い人
- 午前中だけ働きたい人
- 単純作業が苦ではない人
- 人の多さや、視線のプレッシャーに負けず、落ち着いて作業できる人
- 場の状況を読み、動ける人
まとめ
以上、看護師バイトの中でも人気の「検診車」に乗り込むお仕事について、実体験をまとめてみました。
巡回検診の仕事は、慣れてしまえば「様々な会場に行って、たくさんの人と接しながら、短時間の決まった作業を行う」という、「体の負担は少なく、場の変化を楽しむことのできる」お仕事です。
「新卒採用後の5〜6月」などの健康診断の時期になると求人が多くなる、巡回検診のお仕事をやってみたいという方は、巡回検診のお仕事を取り扱う「看護師のお仕事紹介エージェント」に登録し、担当者に希望を伝え、「該当する求人が出た時には情報が入ってくるようにしておく」といいでしょう。