看護師で働いていると、『2交代や3交代の勤務に追われ、毎日職場と家の往復』『休日と言っても、夜勤明けの体調を整えていると、あっという間に過ぎ去っている』『年に1回の長期休暇でさえも、周囲に気を使って思うようにとることができない』そんな思いで毎日頑張っていませんか?
これは全て、私が感じていたことです。
このような思いから、働き方を模索し始めた20代の後半に私が出会った働き方が、看護師の人材紹介エージェント『ナースパワー』が取り扱う『応援ナース』と呼ばれる働き方でした。
この働き方は、旅行好きだけど、お金も時間もなかった私にとって、夢のような働き方でした。
私は、ナースパワーを通して都市圏応援ナースとして名古屋に3ヶ月、沖縄応援ナースとして6ヶ月(その後、正社員に転向して3年)を応援先で過ごすことになりました。
応援ナースには、今でも多くの看護師さんが興味を持たれています。しかし、『土地はどこを選ぶべきなのか』『実際に体験してどうだったのか』など不安な面も多いようです。
そこで、応援ナースを希望する方の参考になるよう、『よかったこと』『失敗だったこと』などを、私の実体験からまとめてみたいと思います。
Contents
ナースパワーとは
まずは、この働き方を提供している会社の『ナースパワー』について簡単に紹介します。
看護師のお仕事紹介エージェントの中でも、30年の長い歴史を持つのが『ナースパワー』です。
ナースパワーは、常勤やパートや単発も取り扱いがあるのですが、その中でもおすすめな働き方の1つが応援ナースの制度です。
なぜならば、ナースパワーの応援ナース制度は2,000年から始まり、今現在も人気の制度として掲げられています。今までに約2,000名もの看護師がナースパワーの応援ナース制度を利用しており、経験や実績はダントツです。
また、応援ナースに必要な『単身引越し』や『交通チケット』などについても公式HPから手配でき、ナースパワー割引などもあります。
さらには、ナースパワーの応援ナースには、『面接に出向く必要がない』『赴任費用の負担をしてくれる』『家電付きの寮を準備してくれる』という保障が付いており、安心して応募・働くことができます。
応援ナースとして働く期間は、3ヶ月から可能です(雇用主によって違いあり)。
実際に働いてからの応援期間延長も、1ヶ月単位から可能(雇用主の同意があれば)であり、かなり自由に働くことができるのもポイントです。
会社名 | 取り扱い雇用 | 取り扱い地域 | 登録時来社 |
創設 | 事業所在地 | ||
(株)ナースパワー人材センター | 常勤 | 全国 | 不要 |
非常勤 | 東京、札幌、横浜、埼玉、千葉、名古屋、大阪、長野、岡山、広島、北九州、福岡、熊本、沖縄 | ||
派遣 | |||
1985年 | 夜勤専従 | ||
単発バイト | |||
応援ナース |
応援ナースの種類
ナースパワーの応援ナースは、応援にいく場所によって以下の4パターンに分けられています。
・都市圏応援ナース
都会にある、看護師不足の病院で応援要員として働くこと。45万円以上の給与も可能。都会に憧れている、東京に住みたいという看護師さんには嬉しい働き方です。

都市圏応援ナースの求人表一例
・離島応援ナース
離島にある医療施設からの要請で応援要員として働くこと。都市圏派遣よりやや劣るが、十分に高額な給与と赴任に当たっての補助が充実している。離島が好き、サマースポーツが好きな看護師さんには嬉しい働き方です。

離島応援ナースの求人票一例
・沖縄応援ナース
沖縄にある看護師不足の医療施設で応援要員として働くこと。十分な給与と赴任に当たっての補助が充実している。沖縄好き、サマースポーツ好きの看護師さんには嬉しい働き方です。

沖縄応援ナースの求人票一例
・北海道応援ナース
北海道にある看護師不足の医療施設で応援要員として働くこと。都市圏応援ナースと同等の高額給与がもらえ、赴任に当たっての補助も充実。ウィンタースポーツ好きの看護師さんには嬉しい働き方です。

北海道応援ナースの求人票一例
この中から、私が経験したのは、都市圏応援と沖縄応援です。この2つの体験談をご紹介します。
都市圏応援ナース 体験談
私が都市圏派遣として選んだ土地は、愛知県名古屋市です。全国にある比較的大きなグループの系列病院でした。
なぜ愛知県にしたかというと、『親しい友人が愛知におり、会いたかった』という理由からでした。
私はその時点で、看護師4年目でしたが、経験した科は『耳鼻咽喉科病棟に3年』『一般内科病棟に1年』と、専門性が片寄っていました。しかし、『なんとかなるだろう』という思いで、半年予定の応援に行きました。
応援に行った先の病院は、かなりの人員不足で、職場は毎日ピリピリしていました。
消化器外科配属になり、耳鼻咽喉科での手術看護経験しかなかった私には、初めての消化器外科は『応援ナースとしての即戦力』が十分ではありませんでした。
なんとか業務はこなせるものの、忙しい中での人間関係にも悩んでいました。
さらに、日勤が終わるのは毎日夜の20~21時で、友人と会うこともできずに『何のためにここまで来たんだろう』と1ヶ月目が終わる頃には既に疲れ果てていました。
そんな中でも、給与は高額で、残業手当もしっかり付いており、給与を手にした時には驚きと嬉しさで『もう少し頑張ろう! 』と思えました。
ですが、結局2ヶ月目の終わりには耐えられなくなってしまい、『ナースパワーの担当者』に相談しました。すると、担当者の方はしっかりと話を聞いてくださり病院側と交渉して、6ヶ月だった契約を3ヶ月に短縮してくださいました。
3ヶ月の応援ナースの期間を必死に耐える形で、私の都市圏応援ナースは終了しました。
よかった点
都市圏応援ナースのメリットは給与です。私の場合、日勤のみの勤務しかしていなかったのですが、2ヶ月目には40万の手取りがありました(残業代込み)。

注意)上記給与は約15年前のものです。現在はさらに高額支給の傾向にあります。
また、職場と自分の間に『ナースパワー』が入っているので、『困ったことやトラブルもナースパワーが間に入って伝えてくれる』という点はとても助かりました。
他にも、応援ナースとして働きに来ている同じ境遇の看護師さんと仲良くなり、職場で助け合ったり、名古屋周辺の観光地に一緒に遊びに行ったりと、応援ナース同士の繋がりができました。その友人たちとは、今でも時々連絡を取ることもあります。
失敗した点
私の場合、都市圏応援の応援先選びが失敗でした。
応援先の状況や環境と、自分のスキルや性格が合っていませんでした。
特に、都市圏応援は『緊急に即戦力の人材が必要』で、求められているものと、提供できるものが違った時に、相手にも迷惑をかけてしまうし、自分も辛くなってしまいます。
相手も、自分も気持ち良く働けるように、応援先を選ぶときに『しっかりと情報を集めて、ナースパワーの担当者の方にも相談して決定する』ということが本当に大切だと実感しました。
都市圏応援の感想
都市圏応援ナースは、給与が高い分、求められるスキルや技術もしっかりと提供する必要があります。また、『自分が何のために都市圏応援に参加するのか』の目的を明確にする必要があります。
私は、都市圏応援に参加するのに『目的が曖昧』な上に、『応援先の選択が自分に合っていなかった』という理由で、『都市圏派遣は辛い想い出』になってしまいました。
なので、この記事を読んでくださったあなたには是非、『自分の提供できる技術と求められるスキルが合っているのか』を判断するのに、ナースパワーの担当者の方としっかり相談して、応援先を選択することをお勧めします。
沖縄応援ナース 体験談
私が沖縄の応援ナースを決めたのは、「趣味のダイビングを楽しみたかった」のと、「習得していた英語を使って看護師が出来る環境を探したかった」という理由からでした。
そのためには、沖縄に暫く滞在する必要があったのですが、当時はお金も時間も余裕がありませんでした。そんな私にとって、仕事をしながら、住むところまで提供される沖縄応援ナースは、とても有り難いものでした。
都市圏応援のことがあったので、沖縄応援の時は、応援先を選ぶのにナースパワーの担当者の方にアドバイスをたくさんもらい、相談に乗っていただきました。担当者の方は、私の不安を理解してくださり、『既に応援ナースとして入っている方々からのたくさんの生きた情報』を伝えてくださったり、『検討中の病院に応援として入られている看護師の方と、直接電話でお話しする機会』をセッテイングしてくださったりもして、裏表のない情報を得ることができました。
その結果、私は那覇から車で30分程度の、周囲は田んぼ、山、海に囲まれた田舎町にある病院に決めました。
実際に働いてみると、聞いてはいたものの、全てが旧式のシステムで、電子カルテ等はもちろん無く、オーダリングも全て紙でのやり取りに、少し面倒くささを感じることもありました。
処置等も、あまりの大胆さにびっくりしたことも多々あり、スタッフの方々の考え方がカルチャーショックなことも沢山ありました。
このように『古いやり方の病院に慣れることへの抵抗』があったり、『患者さんの話す言葉の方言が強すぎて全く理解できない』状態だったり、『沖縄以外から来た私を、違う人種を見るような地元の人』などの、細かい予想外なことはありました。
しかし、時間がたてば、その状況も楽しかったり、沖縄の人からも受け入れてもらて嬉しかったりと、馴染んでいくことが出来ました。
目的としていた、ダイビングに気軽に行けたり、英語を使って働ける職場を自分で探したりという活動もできて、沖縄では理想通りの生活を送ることとなりました。そして、応援ナースの6ヶ月という期間を過ぎ、希望して応援先の病院に就職。その後、英語を使える病院へ転職までして、合計3年を沖縄で過ごしました。
よかった点
沖縄への応援ナースをしてよかった点は、自分の目的を果たせたことです。
はじめに、『目的は何か』を明確にし、沖縄がその目的に沿った場所であったために、実際の暮らしの中でのストレスがほとんどありませんでした。
病院選択の時も、都市圏での経験を生かして納得がいくまでナースパワーのお世話になったこともよかったと思います。
『自然豊かで、外国のような雰囲気の沖縄の環境』は、いつも大きなパワーをくれ、『びっくりするくらい人見知りで、のんびりな沖縄の人』は、仲間だと認めてくれると、とても世話好きで、愉快で、家族のように接してくれるような人ばかりで、とても楽しい応援ナースの経験となりました。
失敗した点
私にとって、沖縄への応援ナースで失敗だったと思うことは特にありません。
強いて言うならば、『あまりに楽しかったために、初めの目的である”英語を使える場所で働く”ための活動に取り掛かるのが遅くなってしまったこと』です。
特に沖縄や離島などの、『気持ちが、うかれてしまいそうな場所』では、自分の目的を見失わないように気をつける必要があるでしょう。
沖縄応援の感想
『長期の夏休みなどを利用しないと行けない沖縄に、お金や住む場所の心配なく数ヶ月住める』というだけで、夢のような沖縄応援ナースは、旅行好きでプライベートを充実させたい方にはとてもオススメです。
実際に私は、沖縄での経験が『自分の理想の生活』ができ、『目的を果たす』ことができた素晴らしい思い出になっています。
ナースパワー利用の感想
私は、ナースパワーの応援ナースを利用してみて、その対応の細かさや、共感力に満足しました。
たくさんの応援ナースをお世話されているからわかる問題点や、そのために必要なフォロー制度も充実しているな、というのが率直な感想です。
実際に働きだしてから「契約期間をあと1ヶ月だけ延長したい」という希望に対しても、対応してくださり、とても助かりました。
しかし、私の知り合いの中には『常勤の転職でナースパワーを利用したけど、就職した先が良くなくてすぐに辞めた』という人もいます。
どこにでも言えることですが『就業先にも、お世話してくれる担当者さんにも、当たり外れがある』というのは、事実です。大切なのは『担当者を通じて、納得いくまで情報を得ること』『担当者が合わない・誠意を感じない』と思った時には、我慢せずにエージェントに伝えることだと思います。
少なくとも、私が利用した限り『応援ナース』を探す時は、ナースパワーはオススメのエージェントです。
まとめ
ここまで、『ナースパワーの応援ナース』に興味がある方に、私の体験談をご紹介しました。
もしも、『興味があるけど迷っている』という人でも、沖縄の応援先に迷っていた私のように『そのままを担当者さんに相談してアドバイスを受けること』で、『必要な情報提供をもらえる』『思いもよらないサポートをうける』などあり、『悩んでいた時間がもったいなかったな』と感じるようにもなるのです。
ですので、興味が湧いた人はもちろん、迷っている人も、まずはナースパワーに相談してみることをオススメします。
あなたの人生の中に『素敵な応援ナースの思い出』ができることをお祈りしています。