今の職場を辞めて、別の職場に変わりたいと思う看護師さんはとても多いです。その理由が、ステップアップであっても、現状の改善であっても、転職というのは大きな起点となります。
このような起点になる転職という作業は、しっかりと段階を踏んで行う必要があります。
何故ならば、転職はこれからの人生を大きく左右するからです。
では、実際にどうしていけばいいのでしょうか?
以下に、看護師が転職するときにすべき3つのstepについてお伝えします。
Contents
step1 あなたの「理想の生活」を思い描きましょう!
そろそろ、転職かな。と思った時、「あの病院綺麗!」「あの病院はお給料いいらしい!」「あそこは、友達の友達が働きやすいって言っていた!」と、まずは”条件の良さそうな転職先”を考えはじめていませんか?
でも、ちょっと待ってください。その前に、あなたがすべき「とても大切な事」があるのです。
転職をするなら、誰しも「成功したい」と思います。
では、あなたにとって「転職に成功する」とはどのような状態でしょう?
私が思う、「転職に成功する」とは、「理想の生活が出来る働き方を手に入れた状況」だと思います。
その理由は、私の今までの経験にあります。
私は今までに、看護師として少なくても8つの施設や病院で正社員・またはバイトで働きました。その中には、やっぱり違ったと思って1年以内で辞めてしまった職場もあります。逆に長く勤めた病院への転職は、「成功した転職だった」と思っています。
なぜ、「失敗した」または「成功した」と思ったのか。違いは、「その職場で働きながら、思ったような生活ができていたか」にかかっています。
私の理想の生活は、「看護のキャリアアップや勉強会の為にプライベートの時間を費やしたり、仕事中心にバリバリ働いたりするかっこいい看護師さん」ではありませんでした。
「仕事以外のやりたいことが出来る環境を常に持っていたい。」と思っていました。
しかし、よくある『救命病棟24時』みたいな番組でかっこいい看護師さんなどを見ると、憧れる気持ちも無いとは言えませんでした。
実際に転職で職場を選ぶ時にも、両方の気持ちが日ごとにグルグル回っていました。
一番悩んだのは、30代後半で転職を考えた時のことです。
それまで比較的大きな、地域では名の通った病院で働いていた私は、「ここで急性期・先進医療の病院から離れると、もう戻れないかもしれない。」と考え、どんな病院を選ぶか本当に悩みました。
そんな時に、私がやったことは、『理想の働き方(条件)・私生活を書き出す』事でした。
書き出した結果、私の理想は
- プライベートを大事にしながら、仕事も負担なくこなせる。
- 仕事中も、スピードとの勝負というよりは、余裕とゆとりを持って患者さんとゆっくり話せる。
という働き方・生活であることがわかりました。そこに、日々忙しく看護師としてバリバリ働くイメージは出てきませんでした。そして、そのメモを基に、病院選びを進めました。
結果、私は田舎のこじんまりとした個人病院の療養型病棟に就職しました。そして、看護師人生最長期間を、特に大きな不満なく過ごしました。
病院選びの時に思っていた「ここで最先端医療から離れたら、もう戻れないかもしれない。」という悩みも、理想が叶っている状況の満足が勝り、いつの間にか消えていました。
”転職に失敗したくない”ならば、自分自身の『成功の状態』=『理想の生活を送れる働き方』をまず決めることが重要です!
あなたの理想の生活は、どんな生活ですか?そして、そのためには、どんな働き方が必要ですか?
step2 情報収集をしましょう!
あなたにとっての”成功の状態”がわかったら、次にやることは、情報収集です。
看護師が転職する際に、情報を得る方法は大きく5つあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、あなたに向いているものを探してみてくださいね。
① 知人、友人からの紹介
看護師は、同じように看護師の友人が多いかと思います。みなさん、様々な職場で働いているので、友人を通じて職場の内部情報も得られるのはメリットです。
ですが、知人、友人から紹介してもらう時には、注意することがあります。
それは、「あなたとあなたの友人の成功の形は違う」という点です。
友人にとって「魅力的」な事が、あなたに取っても「魅力的」とは限りません。
「バリバリ働いて、達成感を得る事が、人生の成功だ」と思う人もいれば、私のように、「仕事は理想の生活を叶える手段のほんの一つに過ぎない」と考える人もいるのです。
”あなたの理想の条件”を持った上で、知人や友人の話を聞きましょう。
② ハローワーク
ハローワークは、いつでも気軽に行けて、自由に求人情報を検索・閲覧できます。さらに今は、自宅にいながらのインターネット検索も可能になっています。
ハローワークは公的な機関であるため、事務的な手続き(保険や年金)についてはとっても頼りになります。
ですが、個人的に看護師転職の情報収集としてはお勧めしません。なぜならば、「求人数も、情報量も数少ない。」からです。
看護師の求人は、後述するように他に専門で扱っているエージェントがいます。そのため、ハローワークでの求人は圧倒的に量も質も劣るのです。
気になる方は、一度ネット検索をして見てみても良いでしょう。ハローワークHPはこちら。
③ 看護協会
都道府県の看護協会運営するナースセンターでは、無料で就職情報を紹介してくれるサービスがあります。
こちらを利用した友人は、「転職をお世話してくださる方が、以前に県内でも大きな病院で看護部長をされていた方で、とても緊張した」と言っていました。
ただ、「その担当者の方の横の繋がりもあって、転職情報サイトには出ないような人気の病院への面接がスムーズにいった」とも話していました。
もしも、「地域では人気の、新卒しかとっていない病院」などへの転職を希望されるときは、看護協会のナースセンターを利用するのもいいでしょう。
詳しくは、各都道府県の看護協会のHPの教育研修から閲覧できます。
④ 自分で直接希望の病院に問い合わせる。
「迷うことは無い。もう、この職場に決めている!」と思う職場があるならば、自分で直接問い合わせるのもいいでしょう。
問い合わせ方法としては、まずは病院のHPで検索し、求人情報を検索しましょう。そこに求人が無い時は、方法が2つあります。
ⅰ)病院に直接電話してみる
この場合、注意すべき点がいくつかあります。
・午前中の問い合わせは控える。
→午前中は何かと忙しい時間帯です。
・面接希望日などを聞かれた時にすぐに答えられるように準備しておく。
→何度も電話するのは、自分も相手も負担になります。
求人があるとわかった時点で先に話を進められる準備をしましょう。
・履歴書、職務経歴書などの準備がすぐに出来る状態にしておく。
→面接の前に提出を求められることがあります。
求められた時に慌てないでいいように、準備しましょう。
ⅱ)看護師専門の転職仲介業者に、希望する病院が求人を出しているか聞く。
もうひとつは、看護師専門の転職仲介エージェントに、あなたが希望している病院が求人を出しているか聞くことです。
仲介業者は、病院や医療関係施設の多くの情報を持っています。求人がある時は、そのまま紹介して貰えばいいですし、無い場合は「なぜ無いのか」などの情報を持っている事もあります。
仲介業者については、次に詳しく書いていますので、必要に合わせて上手に活用しましょう。
③ 転職エージェントを使う
私が、②のハローワークをお勧めしない理由は、看護師には専門の転職エージェントがあるからです。そして、私の1番のオススメがこちらの方法です。
こちらの方法に対しては、不安に思う方もいるので、この方法のメリット・デメリットを挙げてみました。
転職エージェントを利用するメリット
看護師専門の転職・就職案内をする業者は、多くの案件を持っています。また、病院への面接にも同行してくれるところが多く、それぞれの病院の採用担当・看護部長さんと面識のあるスタッフが多いことも特徴です。
さらには、転職エージェントのスタッフは、過去に何度も院内に入って見学に付き添ったり、紹介した看護師のアフターフォローも行ったりしているので、病院の内情に詳しいと言う特徴もあります。
そして、病院についての詳しい情報を基に、就職の希望条件を聞いてくれて、合うところを紹介してくれるので、他の方法よりも自分の希望に沿う可能性が高いのです。
また、就職先に「個人的には言い難いような、待遇面や給与面についての話も間に入って交渉してくれる」という特典もあります。
私は、このサービス使って看護師として多くの働き方をしてきました。
- 修学旅行の付き添い
- 都市圏3ヶ月短期派遣
- 沖縄派遣
- 検診車同行
- 訪問入浴
- デイサービス
これらの仕事は、同じエージェントの中でも「看護師派遣を専門に扱う業者」にはなりますが、これだけ広く働き方を選べるのも転職エージェントを使うメリットだと思います。
転職エージェントを利用するデメリット
1つめは、「転職エージェントは登録制です」。
インターネットでHPを見ると、その会社が持っている案件の一部は載っているのですが、詳しい内容は登録しないと見ることができない状態なのが一般的です。
また、それぞれの会社が表に出さない、非公開案件もあります。なので、業者を利用するには、必ず初めに登録が必要なのです。
そして、登録するとその日・もしくは翌日にはすぐに、エージェントから連絡があります。
通常、働いている私たちは、電話にタイミングよく出られるとは限りません。そうなると、何度も連絡が来ることもあるため、嫌悪感を覚える人もいます。
しかし、私は10年以上看護師のお仕事紹介エージェントを使っていますが、「昔は何度も連絡が来ることはありましたが、このようにネット上でエージェントの連絡回数が問題視される投稿が見られるようになってからは、そのようなことは少なくなった」と感じています。
そしてもう1つ、とても大切な事です。
転職のエージェントでは、担当者が付きます。
転職に関しての担当者は、「転職のパートナーです」。
しかし、お互い人間なので、相性が合わない可能性もあります。また、担当者の経験によって、サービス内容に差が出ることもあります。
この場合、エージェントによっては「担当者を交代できる制度」があるところもあります。しかし、「それはちょっとやりづらい」と言う方へのおすすめは、初めから2〜3つの業者に問い合わせて、担当の方とお話ししてから、どこの仲介業者を使うか決めるのがいいでしょう。
step3 転職活動に必要なものを準備しましょう!

転職の成功の状態を決めて、それに沿って情報収集をしながらも、同時に進めなくてはいけないことがあります。
それは、履歴書と職務経歴書の準備、面接時に適した服装の準備です。
転職を考え始めて、行動を起こし始めたら履歴書と職務経歴書がいつでも書けるように、自分の経歴を整理(特に、学歴や職歴の開始と終了年号など)しましょう。
また、面接に適した服装(スーツが好ましい)などを持っていない方は誰かに借りれるようにしておく、自分で用意するなどの準備も必要です。
履歴書の写真撮影はお休みの日にすることが多くなるかと思います。転職を考え出したら早めに写真を撮っておくことも忘れないようにしましょう。
まとめ
ここまで、看護師が転職するときに必要な3つの段階についてお話しました。
この記事では、転職の3stepについて大まかに触れたのですが、転職に失敗しないよう新しい職場を選ぶときに知らないと損な事実と、参考にしたい条件についてこちらの記事も読まれています。