看護師単発バイトの中で、多くの人が興味を持つけど、案件自体が少ないのが「ツアーナース」のお仕事です。ツアーナースは、旅行に添乗する仕事であることから、旅行が好きな方に人気があります。しかし募集が少なく、経験者も少ないことから、「わからないことが多くて不安」という意見もあります。
今回は、そのような方に向けて、私が修学旅行のツアーナースを経験した時の体験談をまとめてみました。
Contents
看護師の単発バイト ツアーナースのお仕事ってなに?
ツアーナースとは、学校や企業の研修や旅行などに付き添って、参加者の健康管理や緊急時の対応をする看護師のお仕事になります。
主に、旅行会社の依頼で添乗員として勤務することとなります。旅行中は24時間体制で勤務します。
ツアーナース:業務の流れ
1. お仕事契約
ツアーナースの求人は、ツアーナースを扱っている「看護師のお仕事紹介エージェント」に登録して、希望していることを伝えておく事から始まります。
添乗するのは、学校や企業の旅行が主なので、常に求人がある訳ではありません。私が勤務したのは、高校のスキー修学旅行で、時期は1月下旬辺りでした。
高校の北海道スキー修学旅行に添乗することになった後、当日までにエージェントから契約用紙が届きます。しかし、それ以外は当日まですることはなく、修学旅行出発日に高校に集合となっていました。
2. 当日朝
修学旅行が朝早くの出発だったため、かなり早く自宅を出発し、添乗する高校にam7時ごろ到着しました。服装については規定は特になく、華美でない普段着で行きました。学校に着き、修学旅行をお世話する旅行会社の方と初めて顔を合わせ、打ち合わせをしました。
打ち合わせでは、「修学旅行参加者全員の既往歴名簿」を渡され、簡単に業務内容の説明を受けました。内容的には、それほど詳しい説明はなかったと記憶しています。看護師とはいえ、添乗員の1人として参加者の「楽しく安全な旅行をお手伝いすること」を説明されました。
3.出発〜Day1〜
学校の校庭で集合した生徒さん達に挨拶を行い、クラス毎にバスで空港に向かいました。私も、その中の1つのバスに乗り込み、ワイワイ騒ぐ高校生達の雰囲気につられ、楽しかったことを覚えています。
空港で飛行機の待ち時間の間に、添乗員の方から救急箱を渡され「この中にないもので、必要だと思うものがあれば空港で購入するように」と言われ、風邪薬や湿布などを買い足しました。その後、旅行の間はずっと救急箱を持ち歩きました。
旅行先のスキー場までは、ずっと生徒と共に行動していました。北海道のスキー場に到着してから生徒達がスキーを楽しんでいる間は、何かあった時のために待機所で待機していました。
1日目は怪我をする生徒もおらず、無事に夜になりました。1名だけ、熱発した生徒がいたので、与薬したり、「グループで泊まるようになっている部屋」から「病人が出た時用に準備してある部屋」に隔離して、悪化しないようにしたりしました。
その他には、軽い頭痛や筋肉痛、打ち身や捻挫の生徒達のケアを行いました。
添乗ナースは24時間対応なのですが、生徒達の自由時間にはホテルの自分の部屋で自由にすることもでき、24時間勤務という感覚はありませんでした。
次の日の朝までの間、急病もなく、私が行ったことは「熱発して隔離している生徒の部屋を見回り、氷枕を交換したり、バイタルを図って記録したり」したのみでした。
4.添乗〜Day2〜
朝食時、前日に投薬したり処置を行ったりした生徒達の健康状態をチェックと、必要時の与薬をして廻りました。前日隔離した生徒の状態に悪化はなかったのですが、大事をとり、「私の判断で2日目のスキー研修への参加は欠席」としました。
その後生徒達がスキーをしている間、ケアや処置の記録を行い、隔離生徒の部屋を時々見回りながら、待機所での待機をして過ごしました。
夜は、1日目と同様に「生徒達の健康管理と簡単なケア」を行いながらホテルで過ごしました。
5.添乗〜Day3〜
最終日の3日目は、北海道を観光しながら空港に向かい、帰路につく旅程でした。隔離していた生徒も回復し、皆と行動を共にできるようになっていました。
私は、往路を共にしたクラスのバスに乗り、生徒が観光地を散策する間は引率の先生と行動を共にしていました。
北海道から飛行機に乗って高校まで帰り、生徒達がそれぞれに帰宅していく姿を見送りました。旅行中の記録を提出して、業務終了となりました。
ツアーナース:看護師の役割
ツアーナースの役割は、参加者の健康管理と急病やケガの対応です。参加者の「既往歴」や、ツアーの「行き先」から起こりうる事態を予測して準備しておくことも大事な役割になります。
参加者は基本的には健康な方で、起こりうる対応としては「外傷や急病」が多くなります。よって、救急対応ができると役立ちます。
さらには、何か起こった時に「旅程を中断してまでの処置を必要とするのか」の判断も必要になります。参加者は、「旅程を全て遂行するのは当たり前」という意識で参加しているので、急病やケガで旅程を変更することに対して、時には「参加者との話し合い」も必要となってくるでしょう。
またツアーナースは、参加者から見ると添乗員の中の1人です。「参加者の皆さんが、楽しい思い出を作れるようにサービスを提供する側」としての役割も意識しましょう。
ツアーナース:1日の収入
私の場合、添乗したツアーナースは日給制でした。24時間勤務で¥6,000〜7,000/日程度だったと記憶しています。
時給にすると、かなり安くなるのですが旅費・宿泊費・食費は全て負担されるので、旅行好きの私としては「お小遣い程度でも満足できる、楽しいお仕事」でした。
ツアーナースに向いている人は?
上記のようなことから、ツアーナースに向いているのはこのような人だと言えます。
・旅行好きな人
・稼ぐことを第1の目的としない人
・コミュニケーション能力、サービス精神が豊富な人
・予想外の出来事にも落ち着いて対応できる人
まとめ
以上、私の体験から看護師のツアーナースの仕事について書いてみました。
仕事内容は「参加者の年齢層や、旅行先の環境によって様々な状況が予想される」ので、今回の内容が参考になるかはわかりません。しかし、「旅行好きで、いつもと違う環境で働いてみたい」という方にとっては、興味深い仕事だと思います。
求人数も少なく、タイミングが合わないと経験できないお仕事なので、興味があるのならば「看護師の仕事紹介エージェント」に登録しておくことをお勧めします。